特集投稿募集のお知らせ:データサイエンスと科学教育(2025年6月発刊予定)

特集投稿募集のお知らせ

 編集委員会では,下記の主旨で,「科学教育研究」第49巻第2号での特集を企画します.研究論文,総説,展望,資料,プラザ,全ての種別の原稿を募集いたします.ふるってご投稿のほどお願い申し上げます.
 なお,投稿規定により,「科学教育研究」への投稿論文は,筆頭著者が日本科学教育学会の会員である必要がありますので,その点ご注意ください.

編集委員長 青山和裕
特集編集部会長 川上 貴

特集名:データサイエンスと科学教育

 AI技術の発達と「ビッグデータ」の登場に伴い,現代社会において,データサイエンスの役割や意義が増している.実際,GPS,画像認識,自動運転,レコメンドサービス,SNS,感染症予測,環境予測,生成AIなど,データサイエンスの利活用が,我々の生活の中にも益々浸透してきている.
 他方で,こうしたデータサイエンスの潮流は,科学教育諸分野にも変革をもたらしつつある.例えば,日本学術会議の「新学習指導要領下での算数・数学教育の円滑な実施に向けた緊急提言:統計教育の実効性の向上に焦点を当てて」や「大学における数理・データサイエンス・AI教育の中での統計科学の教育について」にみられるように,科学教育諸分野において,数理・データサイエンス・AIに関する素養やAI実装社会への対応力を備えた市民・人材の育成が求められてきている.さらに,内閣府の「デジタル社会の実現に向けた重点計画」で示されたように,教育データを利活用したデータ駆動型の教育も求められている.
 データサイエンスの科学教育への関わりは,研究内容から研究方法に至るまで多岐にわたると考えられる.データサイエンスに関わると思われるキーワードを挙げると,統計,確率,数学,モデル・モデリング,教育データ,データの可視化・分析,コーディング,シミュレーション,プログラミング,アルゴリズム,コンピュテーショナルシンキング,AI,機械学習,データ倫理教育,STEM/STEAM教育,高等教育,IoTなどである.しかしながら,データサイエンスが,実際に科学教育の研究や実践等にどの程度貢献してくるのかは,まだ不明な点が多い.
 このような背景を踏まえ,本特集は,「データサイエンスと科学教育」をテーマとし,幅広く投稿を求め,AI実装社会に対応する科学教育の構築への足掛かりとする.本特集では,データサイエンスを幅広く捉えて,データサイエンスと科学教育に関する先端的な研究や実践などに限定することなく,データサイエンスの基礎となるような従来から取り組まれている科学教育に関する研究や実践等も対象としている.また,データサイエンスと科学教育に関する理論的または実証的な独創性のある研究成果の投稿はもちろんのこと,データサイエンスと科学教育についての新しい思潮,政策,研究動向の解説や展望に関する投稿,データサイエンスと科学教育に関して資料的価値のある投稿,データサイエンスと科学教育に対する意見・提言の投稿も大いに歓迎する.募集する研究領域の投稿論文は,以下の通りである.

・データサイエンスと科学教育についての動向や課題に関する総説
・データサイエンスと科学教育に関する理論的研究
・データサイエンスと科学教育に関する実践的研究
・データサイエンスと科学教育に関する国際比較研究・調査研究
・データサイエンスと科学教育に関する評価研究
・データサイエンスと科学教育に関する教員養成研究・教師教育研究
・データサイエンスを応用した研究方法や研究手法を採用した科学教育研究
・その他,データサイエンスと科学教育に関する研究

特集編集部会の構成メンバー
部会長:川上 貴(宇都宮大学)
副部会長:畠山 久(東京工業大学)
特集編集部会委員:石橋一昴(岡山大学),雲財 寛(東海大学),大嶌竜午(千葉大学),大谷洋貴(大妻女子大学),小口祐一(茨城大学),古賀竣也(崇城大学),塩澤友樹(椙山女学園大学),瀬戸崎典夫(長崎大学),辻 宏子(明治学院大学),永井正洋(東京都立大学),中村大輝(宮崎大学),林 敏浩(香川大学),松波紀幸(帝京大学),谷田親彦(広島大学),渡辺雄貴(東京理科大学)ほか

事前申込締切:2024年9月30日

*査読プロセスを円滑に進めるため,特集は投稿前に「事前申込」を設けております.投稿を予定している方には誠にお手数ですが,著者名・所属,タイトル,論文種別,E-mail アドレス,電話番号,連絡先住所を jsse-hen [atmark] nacos.com までお送りください.事前申込せずに投稿する場合は,投稿締め切りまでにご投稿ください.

投稿受付開始: 2024年5月1日
投稿締め切り: 2024年10月31日

*特集に投稿する場合は,投稿システムの「手順6: 設問」画面の「掲載号」で「特集号」を選択してください.
*査読は,10月1日以降,順次開始します.

発刊予定:2025年6月(49巻2号)

投稿論文の取り扱い
本特集の刊行までに採択されない投稿論文については,一般論文としての査読を継続いたします.
ただし,その際には,査読システムの特性上,改めて一般論文として新規投稿していただきます.